下腿の筋肉の理解の仕方と、経絡経穴との関係についてお話しします。解剖学の教科書をお持ちの方はご確認ください。
下腿の筋肉は足首の動きにプラスして、 ①足の指の動き(例:長指伸筋、長指屈筋など)か、②足の親指の動き(例:長母指伸筋、長母指屈筋)、③膝の運動に関わる(腓腹筋)筋があります。
①②の筋の動きについては大体、筋の名前をみればわかります。長指伸筋は足の4本の指を伸ばす筋、長母指屈筋は足の親指を曲げる筋ということはわかりますよね。それと同様にそれぞれの筋が足首の動きに関わるわけです。だから、筋の漢字をしっかり見て、意味を理解していきましょう。
また筋の作用(働き)は、筋肉の起始〜停止までの筋の走行をみればわかります!これを順に解説していきましょう。
足首の4つの動きとは、背屈【伸展】、底屈【屈曲】、内反、外反になります。そしてこの4つの動きをどの筋肉が担当するかは、その筋の位置・走行によります。
足首の背屈【伸展】、底屈【屈曲】はその筋が足関節の前面を通るか 後面を通るかで決まります。
足首の前面とは内果と外果を結ぶ線上から前方になります。つまり足首の前面を通る筋はすべて伸展(背屈)に働きます。
足首の後面とは内果と外果を結ぶ線上から後方になります。つまり足首の後面を通る筋はすべて屈曲(底屈)に働きます足首の中央は第2指を中心にしてわかれます。第2指を中心に線を引き、それより内側を通れば内反に、外側を通れば外反に動きます。
それでは足首の動きに関わ14個の筋(膝窩筋を除く)を筋群ごとに分けていきましょう(^^♪
下腿の筋を筋群ごとに分ける
ではまず下腿の筋肉、全部で12個あるんですが、これを筋群に分けていきます。筋群ごとに足首の役割が分かれています…これがポイント!!
足首の動きがわかった所で、下腿の筋を伸筋群、屈筋群、腓骨筋群にわけ、足首の動きの役割を確認します。この筋群の位置がどの辺りかをつかんでおきましょう。
下腿伸筋群【足首の背屈】
①前脛骨筋 +内反
②長母指伸筋 +内反
③長指伸筋 +外反
④第3腓骨筋 +外反
下腿屈筋群【足首の底屈】※膝窩筋を除く
表層【足首の底屈】
①腓腹筋 +膝関節の屈曲
②ひらめ筋
⓷足底筋
【深層】(全て底屈内反)
④後脛骨筋
⑤長指屈筋
⑥長母指筋
腓骨筋群【足首の 底屈、外反】
①長腓骨筋
②短腓骨筋
このようにわかれます。足首の動きと筋の関係、下腿の筋を筋群ごとに分けましたが、まだ、筋、筋群と足首との動きについて想像が難しいのはわかります。
なぜ筋群ごとに足首の動きが関わるか、ここをしっかり解説していきます。
そこでまず筋群ごとの下腿における筋群の大まかな配置を確認します。これはめっちゃ大事なんです。
下腿の筋~筋群ごとに大体の配置を知る
下腿の伸筋群は足首の前面(内果と外果より前)を通る
1,下腿伸筋群は全て下腿の前面【脛骨と腓骨の間】から起こり、筋の腱は足首の前面【内果、外果の間】を通る。
下腿の屈筋群と腓骨筋群は足首の後面(内果ー外果の線上の後方)を通る
2,下腿の屈筋群は全て、下腿の後面から起こり、表層の筋はアキレス腱ー踵に終わる【腓腹筋、ひらめ筋】
深層の筋は足首の後ろ【内果とアキレス腱の間】を通る【後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋】
3下腿の腓骨筋群は全て腓骨より起こり、足首の後ろ【外果とアキレス腱の間】を通る
3,下腿の腓骨筋群は全て腓骨より起こり、足首の後ろ【外果とアキレス腱の間】を通る
これをしっかり確認しましょう!メチャメチャ大切なんで、指で実際に触りながら確認!です。
筋群の位置関係がわかれば、次に足首の動きと筋との関係を説明します。これには先程説明した、筋群ごとの筋の走行が決め手になります!
足首の動きと筋との関係
足首の伸展・屈曲の決め手は、足首の前面か後面を通るかどうか。足首の伸展・屈曲の軸は、内果ー外果を結ぶ線上です。
この線上より前を通る筋は、足首の伸展(背屈)に関わり、この線上より後方を進むのが底屈に関わる筋です。
下腿の伸筋群はすべて足首を伸展【背屈】する
1,足首の伸展【背屈】する筋は必ず足首の前面【内果ー外果の前】を通ります。つまり下腿の伸筋群は全てこれにあたります。
下腿の屈筋群・腓骨筋群はすべて足首の底屈する
2,足首の屈曲【底屈】する筋は必ず足首の後面【内果ー外果の後】を通りますので、下腿の屈筋群は、浅層の腓腹筋、ひらめ筋はアキレス腱に終わります。
また深層の後脛骨筋、長指屈筋、長母屈筋は、内果とアキレス腱の間を通るので、どちらも足首の後ろを通ることで、屈曲【底屈】に関わる事がわかります。
下腿の腓骨筋群(長腓骨筋・短腓骨筋)も、腓骨から起こったあとは、足首の後方【外果とアキレス腱の間】を通るので屈曲【底屈】に大きく関わる。
さてこれで、伸筋群が足首の伸展【背屈】 屈筋群、腓骨筋群が屈曲【底屈】を行う際に足関節の前を通るか、後ろを通るかにより動きが分かれると言う事がわかったと思います。
お次は、足首の内反、外反の作用をする筋の見分け方です。
内反、外反の区別をする決め手は、足首を通る筋腱が足首の内側外側のどちらを通るかで分かれます!
これを各筋群ごとに見ていきましょう。
この足首の内側・外側の境界線は、足首の第2指から足首を結ぶ線上です。
それより内側を通る筋は足首の内反、それより外側を通るのが外反に作用します。足首を内反する筋
足首を外反させる筋
足首の外反する筋は①下腿の腓骨筋群(長腓骨筋・短腓骨筋)
下腿伸筋群【足首の背屈】
①前脛骨筋 +内反
②長母指伸筋 +内反
③長指伸筋 +外反
④第3腓骨筋 +外反
下腿屈筋群【足首の底屈】※膝窩筋、足底筋を除く
表層【足首の底屈】
①腓腹筋 +膝関節の屈曲
②ひらめ筋
【深層】【全て底屈内反】
③後脛骨筋
④長指屈筋
⑤長母指筋
腓骨筋群【足首の 底屈、外反】
①長腓骨筋
②短腓骨筋
にわかれます
しっかり 各筋と足首の作用の関係は覚えておきましょう(^^♪
下腿の伸筋群・屈筋群・腓骨筋群それぞれの筋はそれぞれ筋群ごとに支配神経がわかれる
下腿の伸筋群 ①前脛骨筋 ②長母指伸筋 ③長指伸筋 ④第3腓骨筋 の確認と経絡経穴との関係
①前脛骨筋の起始~停止までの走行を確認 前脛骨筋上に足の陽明胃経(足三里穴~下巨虚穴)がある
②長母指伸筋の起始~停止までの走行を確認 (長母指伸筋に関わる経穴 解渓穴)
足関節の前面 で長母指伸筋腱と前脛骨筋腱との間に解谿穴がある)
③長指伸筋の起始~停止までの走行を確認 (長指伸筋に関わる経穴 豊隆穴 丘墟穴 足臨泣穴)
④第3腓骨筋の起始~停止までの走行を確認
足首前面にある 下腿の伸筋群に関わる経穴のまとめ
下腿の腓骨筋群 ①長腓骨筋 ②短腓骨筋の確認 経絡経穴との関係
①長腓骨筋の起始~停止までの走行の確認
②短腓骨筋の起始~停止までの走行の確認
下腿の屈筋群 ①腓腹筋 ②ヒラメ筋 ③後脛骨筋 ④長母指屈筋 ⑤長指屈筋 の確認 経絡経穴との関係
①腓腹筋の起始~停止までの走行の確認
②ヒラメ筋の起始~停止までの走行の確認
③後脛骨筋の起始~停止までの走行の確認
④長指屈筋の起始~停止までの走行の確認
⑤長母指屈筋の起始~停止までの走行の確認
足関節後方(内果ーアキレス腱の間 足根管)を脛骨筋 長指屈筋 長母指屈筋は通る