こんにちは。指を痛めない坂本指圧マッサージ塾の坂本周平です。
集中力を高める呼吸をするための姿勢
背筋を伸ばし、腰を立て、上腹を伸ばすように意識しましょう。腹部は胸の胸骨の下~臍までを上腹、へそから骨盤までを下腹に分けられます。
猫背の体勢になると、自然と上腹部を圧迫する姿勢になります。これは非常に体力を消耗しやすい姿勢であり、呼吸がしづらく集中力も低下します。なぜなら、上腹を圧迫する姿勢は主に胃を圧迫するからです。
また上腹だけでなく、胸も圧迫しますので肺や心臓にも負担がかかります。胃を圧迫すれば消化不良に、肺や心臓を圧迫すれば交感神経は高まりやすくなります。これでは疲れはとりづらく、呼吸もうまくできず、浅呼吸になってしまいます。
当塾では、今の状態だけでなく長く好きな指圧マッサージを天職としていってもらいたいので、その視点を大切にお伝えしています。
呼吸に応じた指圧法
施術者自身の呼吸に注目
圧をかけるときは呼気(息を吐くとき)、圧を抜くときは吸気(息を吸うとき)に行います。皆さん、一気に力を入れるとき、息を吸って呼吸を止めたりしていませんか? 実は指圧においても、それ以外で体を動かすときにおいても、その呼吸は無駄な力が入りすぎて、身体に負担がかかりすぎます。
武道をしている方はお分かりかもしれませんが、例えば剣道において面を打つとき、なぜあんなに「めーん!」と声を出しながら打つのでしょう?
それは、息を吐きながら打たせるためなんです。息を吐きながら打突をすると、身体の余計な力が抜け、いつもよりも素早く、より正確に打ち込むことが可能になります(*’▽’)
患者様の呼吸に合わせる
施術者自身の呼吸が整ったら、次は患者様の呼吸に合わせられればよりよいです。
特に背部の施術のときに、患者様の呼吸を観察し、会わせてみましょう(手足の指圧マッサージで患者様の呼吸に合わせるのは難しいですが)。
背部の施術のときは、軽く背中に手を置くと、患者様の身体が上下するのが分かります。この動きに合わせて、指圧を行うのです。
背筋を伸ばして姿勢を正し、軸をずらさず、患者様の呼気(息を吐く)に合わせて指圧をし、吸気にあわせて圧を抜きます。座位でも立位でも同じです。
患者様は特に身体が凝った状態で来られるのが大半ですから、身体は緊張して硬いです。これを力で押せば、施術者・患者様双方に負担がかかります。できるだけ息を吐いた時(少しでも緊張が緩むとき)に指圧していく方が、お互いの負担が最小限におさえられます。
ただ患者様の呼吸に合わせて指圧していくのは、思っている以上に難しいです。
なのでまずは、自分の呼吸を整え、少しずつ合わせていくこと心掛けましょう。相手の背中の浮き沈みに合わせて、呼吸を整えながら指圧をしますが、上体を揺らさず軸をずらさないこともお忘れなく。