こんにちは。坂本指圧マッサージ塾の坂本周平です。「指を痛めず体に負担をかけない指圧マッサージ術」をお伝えしています。この指圧マッサージ術が、なぜ指や体に負担をかけないのかというと、指や手に余計な力をかけないからです。
体重を手指にかけるイメージが多い中、なぜ当塾では力をかけずに指圧マッサージできるかというと、ツボを的確にとらえる触診技術・姿勢・指圧の押さえ方・マッサージの仕方など複数のポイントがあります。今回はその中でも【姿勢】について解説します。
この余計な力をかけない姿勢は、武道の考えが元になっています。私自身は剣道を少ししていたので、今回は『剣道の素振りと指圧の共通点』についてお話します。力をかけない指圧マッサージをする姿勢は、下記のブログでまとめてあります。
それでは行ってみましょう。今回は少し私の趣味にお付き合いください(^^♪
剣道の素振りと指圧の姿勢の共通点
私は高校時代、剣道を少ししていました。それ以降、剣道自体はしていないのですが、剣道の素振りだけは健康の為に続けています。まあ、趣味の領域ですね(^^♪ その後、指圧マッサージを習い、自ら活用していく時に、剣道の素振りの仕方が指圧の姿勢に共通点があるなと思い、それを元に指圧マッサージの手技を習熟させていきました。
まずは写真をご覧ください。素振りしている棒は、竹刀ではありません。2mもの長い棒です。太さも竹刀より一回り太く、重さも2.5キロほどあります。私は持病もあり、腎移植の身ゆえ、あまり力も出せませんが、姿勢を崩すことなく棒を振ることはできます。これは力をあまり使わず振っているからです。そのコツをお話しします。
そのコツこそ、前回お話した、指を傷めないために小指側のラインを意識して姿勢を整えるに、つながるのです。
※剣道は今は素振りだけしている身なので熟練者ではありません。その点はご理解ください('◇')ゞ
素振りでの体幹を保つための姿勢は、以下の通りです(もっとありますが、ひとまず)。
- 背筋に1本の軸が通るイメージで、それを一定に保つ(竹刀を振った後も同じ)
- 猫背にならず胸を張り
- 腰を立て、目線は正面
- 足を前後に開き、前後の真ん中に軸の中心が来るようにする(背筋の軸とそれを支える下半身の土台が必要)
背筋を正し、1本の軸をどんな時もぶらさないことが大切です。振り上げるときも振り下ろすときも軸がブレていないのがわかります。これは指圧でも同じです。
【指圧時の体幹の姿勢】
- 背筋に1本の軸が通るイメージでその軸を一定に保つ(指圧前後 指圧中も同じく一定)
- 背筋を伸ばし猫背にならない(下を向くが背筋はあまり曲げず猫背にならない)
- 腰を立てる(下を向く姿勢になろうとも腰は立てて腰から下は必ず安定)
- 両足を開き、両足の真ん中に軸の中心が来るようにする(腰から下の下半身を安定)


背筋を伸ばし、どんなときも軸をぶらさず一定に保ち、下半身を安定させることが共通だということがわかると思います。
構えの姿勢
素振りの構えの姿勢は、以下のとおりです。
- 肩の力を抜く(余計な力を抜く)
- 脇を締める
- 肘の内側を体幹に近づける
- 肘を伸ばす(脇を締め、肘の内側を体幹に近づけながら肘を伸ばす)
- 竹刀を上から包み込むように掴む(肘の内側・尺骨が体幹に近づき、手首を小指側の方に倒す)
- 竹刀を体の中心に来るように構える(左右のバランスを一定に保つ)
2と3については、『小指側のラインを意識する』でお話しました。それでは指圧の構えを見てみましょう。小指ラインを意識する所など、かなり共通しています。


【指圧の構えの姿勢】
指圧の姿勢は小指ライン(脇ー肘の内側ー尺骨ー手首の小指側→小指)を中心にしています。
- 肩の力を抜く
- 脇を締める
- 肘の内側を体幹に近づける
- 尺骨を体幹に近づける
- 肘を伸ばし切る
- 小指側に手首を倒す
1枚目は指圧の構え、2枚目は素振りの構えです。比べていただければ、素振りの構えと指圧との構えの共通点が多いのがわかるでしょう(^^♪
最後に、手指の構えを見ていきます。
手指の構え
素振りの手指の構え
- 薬指と小指を中心に握りしめるように掴む
- 小指側に手首を倒す(親指側に手首を倒し竹刀を立てると安定しない。小指側に倒し構えると安定)
- 握りしめるポイントは小指と薬指の付け根(小指薬指を中心に握るので自然とこのあたりがポイントになる)
指圧では小指薬指の付け根に重心がかかります。
【素振りの手指の構え】
- 薬指と小指を中心に握りしめるように掴む
- 小指側に手首を倒す(親指側に手首を倒し竹刀を立てると安定しない。小指側に倒し構えると安定)
- 握りしめるポイントは小指と薬指の付け根(小指薬指を中心に握るので自然とこのあたりがポイントになる)
指圧では小指薬指の付け根に重心がかかります。
【指圧の手指の構え】
- 重心がかかるポイントは小指薬指の付け根(素振りでは小指薬指の付け根で握りしめる)
- 小指薬指も使い、五指で支える
- 小指側に手首を倒す
1枚目の写真は指圧の手指構え、2枚目は素振りの手指構えです。比べていただければ、素振りの構えと指圧との構えの共通点が多いのがわかるでしょう。
素振りと指圧の主な共通点まとめ
【姿勢】
- 背筋を伸ばし腰を立て、背筋から伸びる軸を常に安定させる
- 腰から下を安定させる(素振り:前後に足を広げ、両足の間に重心。指圧:両足を広げる)
【構え】
- 肩の力を抜く
- 肘の内側と尺骨を体幹に近づける
- 肘を伸ばす
【手指の構え】
- 小指側に手首を倒す
- 素振りなら竹刀を握りしめるポイント、指圧なら重心をかけるポイントが小指と薬指の付け根
これのほとんどが、小指側ライン(小指・薬指ー手の小指側の縁ー手根の小指側ー尺骨→肘の内側→脇)を意識して行っているので、どちらも無駄な力を使わず素振りも指圧も行うことができるのです。
また素振りや指圧以外でも、日常的にあなたが同じ考えで行っている行為があります。
このように姿勢や構えを考えて行動するだけでも無駄な力の消費を減らし、指を傷めず指圧することが可能なのです。
私は素振りをすることでそのヒントが得られたので、ご紹介させていただきました。
今回はここまで。ありがとうございました(^^♪